
今日は、途中下車を活用して盛岡にアクセスする方法について探ってみたいと思います(*> ᴗ •*)ゞ
今回も現役バリバリの盛岡市民(+国内旅行業務取扱管理者試験に受かった人間)ならではの視点で情報をお届けしますよ!!!
早速いってみましょう!
予めご了承下さい
- 2022年8月5日時点の情報となります
- 営業キロに関しては、えきねっとやYahoo!路線などの運賃検索サイトを使って算出しております。厳密な営業キロの計算に関しては、念のため、各事業者様公式の情報をご確認下さい
- また、以下の内容は変更となる場合もございます。最新の情報につきましても、事業者様発行の情報媒体をご確認下さい
- なお、本情報のご利用に基づくいかなる損害に対しても責任は負いかねます
「途中下車」とは
そもそも途中下車とはどういう制度なのか。JRさんでは以下のように定義しています。
「途中下車」とは
旅行途中(乗車券の区間内)の駅でいったん改札口の外に出ることをいいます。次の例外を除き、乗車券は、後戻りしない限り何回でも途中下車することができます。(JR東日本ホームページより)

その後徐々に廃止されていくのを目の当たりにしてきたので、最早「下車前途無効」が当たり前だと思ってました。
それが、今も制度として残っていたことに驚きました
ただし、条件があります
JRですと以下の事例に一つでも該当する場合は途中下車できません。
途中下車ァ?認められないわァ
- 片道の営業キロが100キロまでの普通乗車券
営業キロがピッタリ100.0kmの場合は適用外、100.1kmからの適用となります - 大都市近郊区間内のみをご利用の場合の普通乗車券
- 回数券
- 一部のトクトクきっぷ
- 特急券、急行券、グリーン券、寝台券、指定席券、乗車整理券、ライナー券
ちなみに、上記にあるJR各社の「大都市近郊区間内」。東北関連だと、JR東日本が指定している仙台近郊区間になるわけですが、その範囲がまあ広い。
本当は図解したほうがわかりやすいのですが、テキストでご容赦下さい
仙台近郊区間
- 東北本線:矢吹-平泉
- 東北本線利府支線:岩切-利府
- 仙石東北ライン:全線(塩釜-高城町)
- 常磐線:小高-岩沼
- 仙山線:全線(仙台-羽前千歳)
- 仙石線:全線(あおば通-石巻)
- 石巻線:全線(小牛田-女川)
- 陸羽東線:全線(小牛田-新庄)
- 磐越東線:船引-郡山
- 磐越西線:郡山-喜多方
- 奥羽本線(山形線):福島-新庄(同区間の特別急行列車(山形新幹線)に乗車する場合は除く)
- 左沢線:全線(北山形-左沢)
福島〜新庄間は、山形新幹線を利用するかしないかで適用の有無が決まるややこしい初のケースのようです。
たとえ営業キロをクリアしても、上記範囲内のみを利用場合、途中下車はぶっぶー、ですが、
片側がエリア外であれば区間内でも途中下車OKとなります。
ゆえに、盛岡駅は仙台近郊区間外。
となれば、盛岡発着で営業キロ100キロを超える乗車券を持っていれば途中下車できるケースがあるのです!
そこで、盛岡起算営業キロ100km境界駅を調べた
盛岡駅から乗車する設定で、JR線、3セク線問わず、営業キロ100キロの境界駅を調べた結果、こうなりました。
ズバリ!盛岡駅起算の営業キロ100キロ境界駅はココだ!
上記駅を含む以遠の駅までの普通乗車券を購入した場合、途中下車が可能となるのですが、いくつかパターンがあるので一つずつ解説します。
グループ1
- 山田線 宮古駅 102.1km
- 大船渡線 陸中門崎駅 103.9km
- 東北本線 清水原駅 100.9km
- 奥羽本線 羽後境駅 100.5km
- 奥羽本線 醍醐駅 101.4km
上記の駅及びそこから先の駅の切符を買えば途中下車できる、一番シンプルなパターン。
羽後境と醍醐は大曲経由という設定です(実際それが最短なんですが)
東北本線清水原駅自体は仙台近郊区間ですが、盛岡駅が区間外なので、途中下車OK。
大船渡線陸中門崎駅も、一ノ関〜平泉間で仙台近郊区間を通りますが、途中下車OK。
宮古から先は三陸鉄道管内なので、ご希望の方は「片道途中下車きっぷ」を別途購入しましょう
グループ2
- 青い森鉄道 苫米地駅 100.2km(IGR経由)
- 花輪線 末広駅 103.5km(IGR経由)
元JR在来線で、経営分離された青い森鉄道といわて銀河鉄道(IGR)線を通るケース。
2社とも基本的に片道100キロ以上の乗車券で、後戻りしなければ何回でも途中下車可能です。
・青い森鉄道管内(目時〜青森間)
101km以上の区間の乗車券を持っていればOK。営業キロの1キロ未満のは数は1キロ単位に切り上げのため、実質100.1kmから適用。100.0kmちょうどは適用外。青い森鉄道単独区間、JR区間込み、どちらでも可。
・いわて銀河鉄道管内(盛岡〜目時間)
いわて銀河鉄道線を含む片道100キロ以上の乗車券を持っていればOK。発駅・着駅ともにいわて銀河鉄道線内の場合は、途中下車不可(そもそも盛岡〜目時間の営業キロが100キロ以下なんですが)。
グループ3
- JR釜石線 上有住駅 100.7km(東北本線花巻経由が条件)
- JR釜石線 陸中大橋駅 102.6km(東北新幹線新花巻駅経由でも適用)
盛岡駅からJR釜石線を利用する場合。
在来線で花巻駅を経由するパターンと、東北新幹線を使って新花巻駅を経由するパターンがあります。
この場合、営業キロは別路線とみなして計算するので、
どっちのルートを使うかによって、営業キロ100キロをクリアする駅が変わります。
花巻駅経由の場合だと上有住(かみありす)駅で100kmを超えますので、途中駅(小山田〜足ヶ瀬間)での途中下車ができます。
盛岡→(花巻)→上有住 100.7km OK
が、盛岡から新幹線を使って新花巻を経由した場合だと、上有住までの営業キロは94.3kmとなってしまうため、途中駅での途中下車はできません。
この場合、次の陸中大橋駅以遠の切符を購入すれば、途中下車が可能となります。
盛岡→(新幹線新花巻)→陸中大橋 102.6km OK
ただ、これらはあくまで理論上のお話なので、
どちらが現実的かというお話はここでは割愛致します。。。ご容赦下さい。
ちなみに、上有住から東北新幹線新花巻経由で盛岡方面へ行く場合は、IGR巣子駅(104.5km)から先なら途中下車OK。その手前の厨川は99.9km。
グループ4
- 北上線 相野々駅 101.2km(大曲経由、北上経由どちらでもOK)
- 北上線 矢美津駅 104.4km(北上経由が条件)
- 北上線・奥羽本線 横手駅 108.9km(北上経由が条件)
JR北上線の100km境界駅。どのルートを経由するかで途中下車OKの駅が変わります。
相野々駅のみ、大曲、北上どちらを経由しても100キロ超えます。
盛岡→(北上)→相野々 101.2km OK
盛岡→(大曲)→相野々 102.0km OK
矢美津駅と横手駅は、北上駅(北上線)経由に限り適用。
盛岡→(北上)→矢美津 104.4km OK
盛岡→(大曲)→矢美津 98.8km 途中下車前途無効
盛岡→(北上)→横手 108.9km OK
盛岡→(大曲)→横手 94.3km 途中下車前途無効
長距離きっぷだと、有効期限が延びる
もう一点JRのきっぷのルールで注目すべきは有効期限。
・営業キロが100キロまでの場合
・大都市近郊区間内のみ利用の場合
乗車券の有効期限は発売当日のみ。
ですが、
101キロ以上の乗車券の有効期間は距離に応じて延びます。
200キロまで 2日
400キロまで 3日
600キロまで 4日
800キロまで 5日
1000キロまで 6日
*1001キロ以上は200キロごとに1日を加えます。
要するに、
「営業キロ÷200km+1日=有効期間(小数点以下切り上げ)」
という計算式が成り立ちます。
ちなみに、往復乗車券の有効期間は片道乗車券の2倍です。
(例外:博多~新下関間にかかわる往復乗車券の有効期間は「ゆき」「かえり」それぞれの合計)。
乗車中に有効期間を経過した場合は、途中下車をしない限り券面に表示された最終駅まで使用できます。
詳しくはこちら
活用次第で、お得に旅が楽しめる
今後この制度がいつまで続くかわかりませんが、活用次第でお得かつユニークに旅をすることができる途中下車制度。
新幹線や高級旅客列車、高速バスなどとはまた違った魅力をもつ途中下車の旅を是非岩手でお楽しみ下さい。